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2006年10月31日

●お母さんはきれいだ

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秋なので母が銀杏を剥いてくれました。

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おばあちゃんが誕生日だったからお見舞いに行きました。

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一人で暮らしていると、一言も喋らない日がある。
家に帰っても誰もいないからすることが無くて、
本を読む/TVを見る/スキンケア/掃除/料理/の5項目。
毎日これを繰り返していると、刺激の無さと寂しさにやられて
発狂しそうになって誰かに手をつないで欲しくなる。

家に帰るとお父さんとお母さんは喧嘩していたりするけれど
それでもお父さんにはお母さんが、お母さんにはお父さんが
いてよかったなあと安心し、うらやましくなる。
あ、こうやって結婚したくなるのかな。
ぱちりぱちりと銀杏を剥いてくれるお母さんはきれいだ。

しあわせな結婚のその先、痴呆老人のおばあちゃんは
もう何にも考えていなそうにお昼ご飯を食べていた。
おばあちゃんのお昼ご飯は全部流動食で、
正直こんな風に生きていくのは嫌だなと思ってしまった。
だけどおばあちゃんに幸せかどうか聞くことはできない。
多額のお金を用意して必死に看護している両親のことや
おばあちゃんにはこうやって生きる以外の選択肢が無いこと
そもそも、おばあちゃんとはもう会話は成り立たない。

寝ているおばあちゃんはつやつやしていてきれいだ。
病院にいくと、似たような老人が車椅子でうろうろしている。
おばあちゃんは起きれないからベッドの上で寝ている。
土にまみれて黒く焼けた顔はすっかり白く柔らかく
時にお母さんを叱責した口はなぜかずっとモグモグしている。
もう感謝の言葉しか喋らず、単語しか聞き取れない。
ボケることは、寝ぼけてる瞬間がずっと続く感覚なのかな?
もう起きなくてもいい浅い夢がずっと続いているのかしら?

きっと私も、お母さんになって、おばあさんになるから
今のうちに言っておく。お母さんたちはきれいだ。

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