2004年12月27日

●これは悲しいこと

石垣りんさんがなくなった。
すごく素敵な詩だった。
とても好きな詩を書く人だった。

「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」        石垣りん

それはながい間
私たち女のまえに
いつも置かれてあったもの、

自分の力にかなう
ほどよい大きさの鍋や
お米がふつふつとふくらんで
光り出すに都合のいい釜や
劫初からうけつがれた火のほてりの前には
母や、祖母や、またその母たちがいつも居た。

その人たちは
どれほどの愛や誠実の分量を
これらの器物にそそぎ入れたことだろう、
ある時はそれが赤いにんじんだったり
くろい昆布だったり
たたきつぶされた魚だったり

台所では
いつも正確に朝昼晩への用意がなされ
用意のまえにはいつも幾たりかの
あたたかい膝や手が並んでいた。

ああその並ぶべきいくたりかの人がなくて
どうして女がいそいそ炊事など
繰り返せたろう?
それはたゆみないいつくしみ
無意識なまでに日常化した奉仕の姿。

炊事が奇しくも分けられた
女の役目であったのは
不幸なこととは思われない、
そのために知識や、世界での地位が
たちおくれたとしても
おそくはない
わたしたちの前にあるものは
鍋とお釜と、燃える火と

それらなつかしい器物の前で
お芋や、肉を料理するように
深い思いをこめて
政治や経済や文学も勉強しよう、

それはおごりや栄達のためでなく
全部が
人間のために供せられるように
全部が愛情の対象であって励むように。

2004年12月15日

●e.m

いろんな雑誌に掲載されてバブル気味なのに、
ぜんぜん公式サイトみつかんないんだもんまいっちゃうよ。
とにかく素敵なので覚え書き。
思えば三谷先輩も落合ねえさんも、ラブリーな手の届く年上はみんな持ってる。

最近身の丈を考えると、
なんで私くらいの女の子がピカピカのヴィトンを持てるのか不思議になる。
よくあるブランド志向批判とかじゃなくて、
私の家がそもそもブランド品を一切買わない、田舎の農家だから、
たとえば月に生活費が10万円だったとして、
新しいかばんが欲しくなったときに割けるお金は1万ちょっとのレスポやエルベなんだよね。
そこでグッチとかコーチとか買っちゃうとなかなか食いつなぐことができない。
彼女たちは別のところですごい倹約とかすごいバイトとかしてるんだろうか。

私は贅沢大好きで、欧州風ないいものを長く感覚も大好きで、
だけど今の生活の金銭構成を省みるに、
やっぱりかばんには2万円で一番いいものしか買えない。
それ以上出すと(たぶんやりくりすれば出せないこともない)
自分の生活レベルからかばんだけぽかんと浮いてしまうからね。

だから今欲しいものをその視点であげてみたら、
・スウォッチの地味な時計 会社にしてけるやつ 5千円
・エルベのトート 会社に持ってけるやつ 丈夫さ重視 2万円
・かねまつのオーダーパンプス 会社で履くやつ たちっぱ仕事 3万円
・ダウンコート 雪国通勤用 できれば2万くらいで 
・中古車 丈夫な四駆 雪国通勤用 100万以内

列挙すればまあなんていうか、ちょっと華がないよなー。
ちょっとまじめな中学生が大人になっちゃったみたいな感じ。
そういえば最近一週回ってノンノがリアルになってきた。
昔はあんな地味で特徴ない面白みない服誰が着るの?ってzipperっ子だったのに。

大粒のダイヤはまだとうぶん手に入らない。
それはなにもダイヤが欲しいという即物的なことではなくて、
そういうハイクラスなHFとか婦人画報的な暮らしを手に入るのがまだまだだから。
ならばそれを今私にくれるようなインスタントなジルコニアのリングが欲しい。
ダイヤモンドは永遠の輝きだけど、ジルコニアはすぐ濁るんだってね。
もともと透明度がすごく高いからちょっと身に着けてると傷ついてすぐ濁るんだって。
濁るころにはダイヤを買うわ、そんな心持ちでそのうちこのリングを手に入れよう。
今はまだこのリングさえ高く感じてしまう身分だけど、
私のなかにもぼうぼうと密かに燃えまくっているNIKITA精神と、
私のなかにも脈々と根付いているヒカリ物が好きな烏精神を、
うまく混ぜて捏ねて自己を省みて、
好きで好きでたまらないもので的確に自分を飾り、自分になれたらいいものだ。

この冬は、7万したビバユーの毛皮、もう4年目なんだからそろそろ自分のものにしよう。

2004年12月10日

●教育される側が教育を語っても不毛

かもしれないけど、ちょっと
サマワに言ったらとか学力テストとか奉仕活動とか。
ちょっとちょっとやっぱりおかしくないかなー。

週刊文春の阿川佐和子さんの連載で今週シャネル社長(フランス人)が
「今の日本にはビジョンが見えない」「日本人はもっと自国のいいところを見るべき」
という話をしていたけれど、
私はまだ学生で教育を受けさせてもらっている立場だからなんども自信がないんだけど、
やっぱり変じゃないですか?上の三つの意見は。
どうなんだろうどうなんだろう、自分が明確に反対できないことも不安だな。

たぶんまず、一つ目の記事は前提としてフリーター=悪なんだけど、
それは今の日本の社会システムに合わないから悪なわけで、
でも実は日本の250円の牛丼とかコーヒー1杯150円でいつまでもいられるベローチェとか絶対フリーターでできているわけで、
そんなことこんな偉い人が分かってないわけないと思うんだけど、
やっぱりサマワいってなんとやらはちょっとちょっと時代錯誤というか。
二つ目の記事は、何で長期スパンで物事を見れないんだろうと不思議。
だってついこないだでしょ円周率3で教えてたのは。
やだよう後輩に
「先輩円周率3の世代ですよね、俺らアテスト再び世代ですから」とか言われるの。
日本はなんでこう一度目指したことを持続させる力がないんだろう。
やっぱり政治家は意見を通す専門家だから、
もっと学者とか批評家が表に出てもいいんじゃないかな。競走馬と騎手みたいな。
成果でてないうちにかえるっていうのは勇断じゃないとおもうけどな。
三つ目の記事は、本音と建前が乖離して
どんどん子供がずるがしこく:要領よくなることが分からないんだろうか。
もしかしたら分かってるのかも、そういうサバイバーな子供を育てたいのかな。
おれおれ詐欺で一億稼ぐ中学生がいるイマドキの子供は
相当情熱的な先生に当たってドラマティックな現場にでもいかないと
ボランティアとか強制してもなー。あんまり意味ないんじゃないかなあ。
というのが今の私の引っかかり点。大人になってこれ読んだらどう思うかな。

今日は久しぶりにモノ萌したからそれも覚書。
これは久々にキャリアを変えたいと思ったくらい欲しい携帯:FM萌
モノじゃないけど、この女の子すごい表情作るのうまいと思う:なんで噂にならないのコレ

2004年12月08日

●プリントごっこ

プリントごっこ、年賀状がPCでばりばりできるようになっちゃったから
どうなってんのかなと思っていたからこんな風になっててちょっと安心した。

プリントごっこ、ごっこってついてるのが
プリントじゃなかったときのいいにおいがする。
最後まであんまりプリントになれなかったね。
一気にスキャンしちゃったね。