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2007年02月07日

●プレジデントメルマガより

1.セレブはおいしいものがお好き

 数年前、某銀行勤務の友人と合コンしたことがある。東大卒の同期
を集めてくださるというので、こちらも、料理の腕がセミプロ級の元
スッチーや外資系勤務の友人など、才色兼備の女性を誘って望んだ。
が、自己紹介を終えしばらくして、なにやら不穏な空気が・・・・・・。女
性側の一人が食の話題を切り出したのがきっかけである。「今、どこ
のお店がおいしい」など、女性陣全員が一気に盛り上がる中、男性側
は終始無言。どうやら、寮と職場の往復という生活で、レストランを
巡ったり、料理をしてみたりなどという余裕はまったくない、とって
もエリートで多忙なサラリーマン生活を送っている方々らしい。

 そして、その翌日。男性側幹事に「あたしの友人、いい女ばっかり
だったでしょ」とメールしたところ、「確かにねぇ。でも男としては
引け目を感じてしまうかもしれません。いやあ、いい女もツライねえ」
という返信が。後日、彼と別件で会った際、「あの子たち、ほんとに
料理なんてできるの?」「一体何者なんだよ」なんてことを言われて
しまいました。
たかだか食べもの話で、何者といわれましても・・・・・・ねえ。

 ふと、このことを思い出したのは、現在発売中の「大富豪の行動習
慣」で、「セレブ妻座談会」を昨年末に行った際のことだ。夫の年収
が数千万~1億円近くという、本当のセレブ妻たちである。顔をお見
せできないのが残念な美女ぞろいだが、全身ブランド、エステ三昧と
いうような方はおらず、普段の生活は意外なくらい質素とのこと。し
かし、そんな彼女たちが、そろって「『食べ物』にはお金を惜しまな
い」と答えたのである。とはいえ、毎日、高級フレンチなどに行って
いるわけではなく、アジアの屋台や、街角のB級グルメでもOK。と
にかく「おいしいもの」を追い求め、本当に舌が肥えているからこそ、
料理の腕も一流なのだ。

 私自身は元々グルメでもなんでもないが、以前、弊社の食雑誌編集
部にいたせいで、食べもの話にはそれなりについていける。今回の妻
たちを含め、今までお会いしたお金持ちの多くは、食べることに本当
に貪欲だ。食の話題には興味津々で耳を傾けてくるし、多忙な生活の
合間を縫っておいしいものを探し、食雑誌の編集者も顔負けの知識と
舌をお持ちの方ばかりである。 
 思うに、彼らはきっと生き物として強いのだ。食べることは、すな
わち生きることの根幹だから、そこを決してないがしろにしない人た
ちは、すべてにおいて人一倍パワフルだということなのではないだろ
うか。むろん、生まれながらの富豪として、幼い頃から美食の経験を
積んでいる人もいる。ただ、今の時代に年収数千万以上といえば、経
営サイドか外資系金融勤務など、安定は保証されない立場にあること
も多い。そんな「本当のセレブ」でい続けるためには、明日にでも一
文無しになってしまうリスクを背負う確率も高いだろう。ならば、庶
民にはない苦境を乗り超えていくだけの力が不可欠だし、ひところの
大企業のサラリーマンのごとき安定が約束できないからこそ、パート
ナーにも同質の強さや賢さを求めるのではないだろうか。今回のセレ
ブ妻たちも全員、結婚前には外資やマスコミでキャリアを積んでおり、
苦労知らずのお嬢様などいない。うち二人は会社を立ち上げているし、
もし夫に何かあれば、代わりに一線に出てバリバリ戦っていけそうな
方々ばかりなのだ。

 さて。前述の合コンの男性陣とは結局、自然にご縁が消滅してしま
った。きっと今も、つまらない食の話題などで自分を脅かすことのな
い女性だけを側に置き、順調にエリートサラリーマンの王道を突き進
まれているのでは、と勝手に想像してみたりして。
一方、女性メンバーの一人は、少し前に正真正銘の大富豪と結婚した。
共通の趣味であるレストラン巡りと海外旅行を二人で楽しみながら、
一緒に会社を立ち上げ、ビジネスのパートナーとして支えあって、幸
せにくらしているということでございます。 
―――めでたし、めでたし。

                 プレジデント編集部 木下明子

4段落目、「思うに、彼らはきっと生き物として強いのだ。」からの
展開が思い込み系かつ力強くてちょっとシンパシー。

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