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2003年05月17日

●かったるくなってきたよ

寒気がとまらないし吐き気も止まらないし手も震えている。
ベランダのプランターをふと見たら、朝はなかった植物が芽生えている。
どんなスピードで、何が起きているの?
手が冷たいから、あまり確証がもてない、怖い、怖い、嫌だ。

かったる・い (形)
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〔「かいだるい(腕弛)」の転〕
   (1)体が疲れてだるい。ものうい。
    「―・くて何もする気がない」
   (2)もどかしい。じれったい。
    「―・い男だ」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)

とこれだけで判断すれば五月病のようですが、そんなにやる気だけがそがれたということではなくて、
私の使う「かったるい」のなかには「頭の鈍い」「頭の弱い」という意味が入ってる。
用は、「生活に疲れてきたよ失踪したいよそろそろ」ということではなく、
「頭に霞がかかってきたよ、なんだかいろいろよくわからなくなってきたよ。」ということ。
「頭の鈍い」「頭の弱い」はけして馬鹿という意味に一直線なわけではなく、
頭が現実から逃げ出したよ、ほんとうを考えることから逃げ出したよ、ということ。
「表象を大事にしろ、経験の価値はそこにある」というのは奥出先生の弁だけど、
生活自体はそうもいかないね。表象があることを知っているからね。

セバスチャンが死んでしまった。
私が生きていることに完全に依存していた存在が、ひとつ減ってしまった。
残ったのはミカエルだけで、私は少しまたぽつんとする。
一週間と二日ひん曲がったままで死んだセバスチャン。
長い尾ひれが水の中でゆらりゆらりするのは一枚の壁を揺らしているみたいで、凄かった。
朝起きたら口をぱっくり開けて死んでいたセバスチャン。とろりと朝日にうろこが光る。
夜中帰り道真っ赤な信号と真っ白な街頭の隙間をセバスチャンがひらりと泳ぎ抜けたような気がして、
涙が出る。
さようなら、私が心から大事に思っていた私の金魚。
さようなら、私に属している唯一の存在だった金魚。
そしてさようなら、              。

夜ベッドで足の右中指の爪が半分もげた。
バンドエイドを巻いているうちに手の右人差し指の爪も半分もげた。
爪をかじる癖はようやく無くなったと思ったのに、
誰かが何かで私には爪が要らないといっているよう。
何で要らないの?今までなくても生きてこれたから?
ほんとうはほしかったもの、神様にはないのかしら。
このまま体が少しづつなくなっていったら最後に残るのはなんだろう。
目かな、そして廊下に転がる、小さい目、たくさん。あ、何を見ていたんだろう。
せめて、最後に残った目玉がうろこのようにつやつやと、可愛いものだといいんだけど。

世の中で一番強い価値は可愛いことじゃないだろうか。
じゃなきゃ子供が可愛いはずがない!あの子が可愛いはずがない!なーんちゃって。
美しいこと悲しいこと凄惨なこと可愛らしいことため息がでること、涙が出ること、
誰が、何に、何をしている? 何が、誰に、何をしている?
考えなくっちゃ考えなくっちゃ思考が速度に置いていかれないように。
ほんとうのことを、ほんとうのことを。
悲しくないことを、悲しくないことを。両手に抱えてあふれるくらいの。

あふれた分はあんたにあげるわ、だってあんた、幸せ欲しいって言ったじゃない。

コーヒーを飲めるかなと思って飲んでみましたが案の定吐き気が止まらない。
横たわると悲しくもないのに涙が止まらない。これは涙じゃなくてさ、なんかのソースなんじゃないの?
コーヒーもセバスチャンも懐も爪も、私は一生をかけて背負い込む気だったのにね。
ソースに絡めてばりばりと噛み砕いて生きていくつもりだったのに。

さようなら、今日。
今日は明日の昨日だから怖いんです。
明日は昨日の今日だから怖いんです。


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誕生日おめでとう。私の一番大切なすかした彼女。

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